鎌倉みそ

赤・白味噌の違いって? 藤沢の気候から生まれる“鎌倉みそ”の深い味わい

藤沢市で味噌づくりを行う『鎌倉味噌醸造』。取り扱う2種類の味噌の味わいの違いや、厳選素材と古式製法へのこだわり、味噌づくりを始めたきっかけについて、代表の村上さんにお話を伺いました。味噌の味をしっかりと感じられる、おすすめの食べ方もご紹介。

 

 

 

『鎌倉味噌醸造』は、藤沢市で味噌づくりを行う味噌蔵です。

 

規模は小さくとも、一度食べた人からの味の評価は高く、『ネコサポステーション FujisawaSSTセンター』内の直売所をはじめ、神奈川県内の土産店や一部飲食店などでも家庭用の味噌が販売されています。

 

また、ミシュラン二つ星を獲得した札幌の『料理屋 素』の料理や、人気ラーメン店『東京味噌らーめん 鶉(うずら)』の特製スープにも、『鎌倉味噌醸造』の味噌が使われているそう。

 

 

 

『鎌倉味噌醸造』の味噌づくりは「古式製法」と呼ばれる、ほとんど機械を使わない伝統的な製法。

 

生産量は一般的な味噌蔵より少なく、一度に仕込む味噌の量は15kgほど。少量ずつ丁寧に仕込み、1年間でおよそ1トンの味噌を販売しています。

 

また、人工的な加温をせず、およそ半年以上の時間をかけてじっくりと醸成する「天然醸造」を行なっています。

 

季節によって変化する温度や湿度を考慮せねばならず、また使用する樽によっても味わいに微妙なブレが生まれる天然醸造。

 

「毎回、すこしだけ味わいが変わるのも面白いんですよね」と、『鎌倉味噌醸造』代表の村上さんは語ります。

 

 

『鎌倉味噌醸造』代表の村上さん

 

 

以前は料理人として、和食・中華・フレンチなど、さまざまな厨房で働いていたという村上さん。

 

知り合いの味噌づくりをお手伝いした際に、その奥深さと完成した味噌のおいしさの虜になり、味噌づくりの道へ進んだそうです。

 

「出来上がった味噌を食べて、味噌ってこんなにおいしいのか!と感動したんです」

 

 

 

おいしい味噌を届けるだけでなく、味噌づくりの楽しさも広めようと、村上さんは直売所のある『ネコサポステーション FujisawaSSTセンター』で味噌づくり教室を開催。

 

味噌づくりに欠かせない大豆やお米などの材料は、販売用の味噌と同じく、どれも村上さんが自ら厳選した品種。

 

甘みやコクが強い北海道産の大豆「ゆきほまれ」、そして神奈川県でつくられたお米の中で初めて「特A」ランク()に認定された湘南のお米「はるみ」を使用しています。

 

※ランク付けは毎年、日本穀物検定協会によって行われます。「特A」は、新潟県産コシヒカリ、秋田県産あきたこまちなどと並ぶ最上位のランク。

 

教室に参加するのはご近所のお客さんだけでなく、このためだけに都内から来るお客さんもいるほどの人気ぶりです。

 

 

『鎌倉みそ』(写真左)、『江の島みそ』(写真右)

 

 

「最近は1種類の味噌しか常備していないご家庭が多いと思いますが、『この料理には白味噌』という風に使い分けたり、その日の気分によって自由に選んで、味わいの変化を楽しんでほしいです」と、村上さん。

 

『鎌倉味噌醸造』では、白味噌『鎌倉みそ』と赤味噌『江の島みそ』の2種類を販売しています。

 

どちらも大豆に米麹を加えてつくる「米味噌」ですが、白味噌と赤味噌を分ける大きな違いのひとつが熟成期間。一般的に、白味噌より熟成期間が長くなると赤味噌になるのだといいます。

 

鎌倉味噌醸造の2種類の味噌は、白味噌と赤味噌でそれぞれ使用する材料の割合を細かく調節し、それぞれの味噌が一番おいしくなるようにつくっているのだとか。

 

 

 

普段のお味噌汁や、西京焼きのような漬け焼きの際にも使いやすい、白味噌の『鎌倉みそ』。

 

味噌づくりの材料の中で麹が占める割合「麹歩合」が高いため、麹の上質な風味と香り、そしてお米のほのかな甘みを楽しめます。

 

 

 

赤味噌の『江の島みそ』は、発酵に1年以上の時間をかけてつくられています。

 

麹歩合を『鎌倉みそ』よりも抑えることで、大豆本来のうまみとコクを強く引き出しています。

 

そのため、煮込み料理などに使うと料理がグッと味わい深くなります。

 

 

 

村上さんに味噌を使ったおすすめの料理を尋ねると「みりんで伸ばした味噌に肉や魚を漬けて、冷蔵庫で2〜3日置いてから弱火でじっくり焼くと、味噌の風味がしっかり感じられて驚くほどおいしいです」と教えてくれました。

 

ぜひ、『鎌倉味噌醸造』の味噌でお試しあれ。

 ご注文はこちらから→鎌倉味噌醸造 – ハックツ!

 

 

【プロフィール】

 

村上ひろしさん

 

『鎌倉味噌醸造』代表。以前は料理人としてさまざまな厨房で働いていた。食材としての味噌は昔から好きだったが、知り合いの味噌づくりを手伝ったのがきっかけでその奥深さにハマり、味噌づくりの道に進む。

 

 

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