1990年のオープン以来、30年以上にわたって地元・藤沢の食卓においしいパンを届け続ける『Boulangerie NOLAN Hatta』。素材にこだわるパンづくりや、数々のメニューが生まれたわけについて、オーナーの八田さんに伺いました。
あざやかなオレンジのロゴが目を引く『Boulangerie NOLAN Hatta』は、毎朝早い時間からお客さんで賑わう人気のパン屋さん。
本店である『Boulangerie NOLAN Hatta』を含め、藤沢市内に3店舗を構える『NOLAN』さん。
なかでもこちらの本店は、サーフィンやジョギングなどで朝早くから活動する方々もよくパンを買いに来るそう。そんな人たちが立ち寄りやすいようにと、毎朝7時からお店をオープンしています。
オーナーの八田(はった)さんは、なんと早朝3時にお店に来て仕込みをスタート。開店時には、焼き立てのパンが所狭しと並びます。
看板商品は、全5種類のフランスパンです。
土日限定販売の「ブルゴーニュ」は、100%フランス産小麦だけを使用。
藤沢にいながら、パリの街で売られているような本場のフランスパンを体験できます。
NOLANのパンづくりはオーナーの八田さん自らの手で行われます。1990年にこちらのお店をオープンして以来、30年以上にわたって地元・藤沢の食卓においしいパンを届けてきました。
フランスパンに並ぶ人気を誇るのは、『NOLAN』のクロワッサン。
「クロワッサンは見た目も味も派手じゃないし、開業当初はなかなか売れなかった」と語る八田さん。
「でも、いまでは近所のお客さんたちが毎日喜んで買ってくれる。『おいしいパンをお店で買って、普段の食卓で食べる』という文化が、30年かけて少しずつこの地域に浸透してきたんだと思います」
そんな言葉からも、八田さんと『NOLAN』が藤沢と共に歩んできた長い歴史を感じることができます。
長い間、店内を彩ってきたアンティークインテリア。南フランスから輸入したこだわりの品々のほか、常連さんからの贈り物も多いとか
「ベストセラーではなく、ロングセラーをつくる」という師匠の教えを胸に、定番商品でもレシピの検討を欠かさず、ゆっくりと進化させてきたそうです。
試作を重ねるうちにメニューは増え、なんと今ではおよそ80種類にものぼるとか。
これだけの種類を毎朝仕込むのは大変ではないかと訊ねたところ、「どのパンにもそれぞれファンがいてくださるからね」と八田さん。
外側はフランス産のチョコでコーティングし、内側にはベルギー産のチョコを使用した「パン・オ・ショコラ」
北海道の小豆、フランスのチョコレートをはじめ、世界各国から厳選した素材を使用した『NOLAN』のパン。
しかし、「まずは食べてもらわなきゃ伝わらないから」と、どのパンも地域のお客さんが気軽に買い求めやすいような価格で提供されています。
「バゲットベーコン」のベーコンは、1本まるごと買ったものを工房内で7mm厚にスライスするこだわりよう
昔からお客さんと一緒に来ていたお子さんが、いつしか親になり、今度は自身のお子さんと来店してくれる……というように、世代を超えて通う常連さんも多いのだとか。
八田さんも、まさしくご近所さんのような気持ちで、街の子供たちの成長を見守っているそうです。
もともとケーキの職人でもあった八田さん。店内では手づくりのジャムやクッキーなども販売しています
そんな『NOLAN』のパンは、メニューによって2種類の天然酵母を使い分け、食品添加物は一切使用していません。
市内の保育園や老人ホームにもパンを卸している『NOLAN』の「子供からお年寄りまで食べられるパンづくり」は、昔ながらの製法と、ナチュラルで身体にやさしい素材によって実現されているんです。
さらに、カレーがおいしい七里ヶ浜のレストラン『珊瑚礁』や、江ノ島のレストラン『イルキャンティ・ビーチェ』などの有名店にも『NOLAN』のパンが提供されています。
お店に伺う際は、とりどりのパンが一斉に並んだ午前中が特におすすめです。
焼き立てのパンたちと八田さんが、いつでもあなたをお待ちしています。
ご注文はこちらから→ Boulangerie NOLAN Hatta – ハックツ!
【プロフィール】
八田浩行さん
『Boulangerie NOLAN Hatta』など、藤沢市内に3店舗を構える『NOLAN』オーナー。ハワイの言葉で恵みを意味する『NOLAN』という店名は、ハワイに住む甥っ子の名前からつけたもの。