シンプルな材料で体にやさしく、毎日食べても飽きない食パンづくりにこだわる『食パン工房fluffy』。天然酵母で「ふわふわ・もっちり・カリッと」な食感を実現するための工夫や、お店を始めたきっかけについて、店主の佐藤さんにお聞きしました。
辻堂駅西口のほど近く、仲良しのご夫婦が営む『食パン工房fluffy』。
毎日の食事で食べたくなるような「シンプルな材料で体にやさしく、味わいのある食パン」がコンセプトで、黒糖・レーズン・ごまなどさまざまな種類の食パンが楽しめます。
看板商品は、国産の小麦だけを使った「プレミアム食パン」。
ふわふわとした食感と、どんな食事にも合うようなシンプルでクセのない味わいで、開業当時から不動の人気を誇ります。
添加物を一切使わず、良質な素材を使用し、手間暇をかけて天然酵母の持つ旨味を引き出す『fluffy』のパンづくり。
そこには、「どうせつくるなら、自分たちが『食べたい!』と思えるようなパンをつくろう」という店主さんの思いがありました。
お店をオープンする以前からパンが好きだったという、店主の佐藤さん。
しかし、市販されている食パンを毎日食べ続けていた佐藤さんは、いつしかイースト(酵母)特有のわずかな臭みが気になるようになり、だんだんと飽きが来てしまったのだそう。
「クセがなく、素直な味わいのほうが食べ続けられるとわかったんです。白米と同じですね」
『fluffy』で自家培養される、オリジナルの天然酵母
佐藤さんは、理想的な「クセのない、素直な味わいのパン」を追い求め、研究を重ねました。
『fluffy』の食パンに使用されているのは、「ホシノ天然酵母パン種」という無添加天然酵母を数種類ブレンドしたもの。
“天然酵母”は本来膨らむ力が弱く、長い時間をかけないと生地が膨らみません。
発酵に時間をかけるほど生地が固くなり、ソフトな食感が失われてしまうため、通常はイーストを混ぜてすばやく膨らませます。
しかし、『fluffy』では独自の配合で酵母をブレンドしたり、自家培養したり、ほどよい発酵時間を考えたりと、試行錯誤を繰り返しました。
その結果、時間をかけても生地がやわらかく仕上がる『fluffy』オリジナルの天然酵母が誕生。
この工夫のおかげで、イーストやショートニングといった、パンの出来をコントロールするための材料を使うことなく、シンプルな素材のみでも「ふわふわ・もっちり・カリッと」な食感とクセのない味わいが実現しているのです。
レーズン、ごまなど、6種類の食パンを販売(店頭での販売価格は、ハックツ!での販売価格とは異なります)
2011年12月にオープンし、今年で12年目となる『fluffy』。オープン当時は、食パンだけを扱うパン屋さんがまだまだ一般的ではなく、「前代未聞だ」とパン業界でも話題に。
いま店頭に並んでいる6種類の食パンは、開店以来一度も、基本のレシピを変えていないといいます。
奥様の貴子さん(写真左)。お気に入りのパンは「ブロッコリーパン」
『fluffy』を営む佐藤さんご夫妻は、もともと会社員として同じ職場で働いていたのだとか。
ご結婚後も佐藤さんのお仕事は日に日に忙しくなり、激務に追われて家に帰れないことも。
「これじゃあ何のために結婚したんだかわからない」と、佐藤さんは退職を決意。二人で一緒にできる仕事を考えて、『fluffy』をオープンしました。
「人生の後半戦を、夫婦で楽しく長く続けられる仕事にしたかったんです」と、佐藤さん。
当時も今も、奥様との生活を大切にしているのが伝わってきます。
辻堂地域には、小さな個人店にも気軽に足を運んでくれる土壌があり、健康意識が高い人も多いように感じる、と佐藤さんは語ります。
『fluffy』の「毎日食べられる食パン」のコンセプトも相まって、リピーターのお客さんがとても多く、オープン以来10年以上通ってくれているご近所のお客さんも。
バラエティパンはお客さんの様子を見ながら、ときどき新たなメニューと入れ替えます
店頭には、ブロッコリーパンやコーヒーブレッドなど、曜日や季節に応じてさまざまなバラエティパンも並びます。
お近くに立ち寄った際はぜひ、気分に合わせてお好きなパンを選んでみてください。
ご注文はこちらから→ 食パン工房fluffy – ハックツ!
【プロフィール】
佐藤博さん
『食パン工房fluffy』店主。近所のパン教室に夫婦で参加したことをきっかけに、パンづくりの楽しさに目覚める。会社員を退職した後、夫婦で続けられる、やりがいのある仕事を始めようとパン屋に転身。